お客様事例: マサチューセッツ大学ポリマー科学エンジニア学部

たった30分で行ったテストは、X線研究室では終日かかっていました。

トーマスラッセル教授、シルビオコンテ名誉教授、マサチューセッツ大学、ポリマー科学エンジニア学部



新ポリマーテスト表面に新測定方法の必要性

マサチューセッツ大学の研究者達は長年ポリマー分野が悩んできた問題に取り組む事を望んでいました。非常に薄いポリマー膜のガラス遷移温度は何か、またそれは伝統的な値と大きく異なるのか?この質問はトムラッセル教授、ハイユールー博士、大学院生のウェイチェン氏によって研究が行われることになりました。彼らの新アプローチは、シリコンウエハーのような基板によって制限されない液体に浮かぶ、特にイオン液体上の膜の温度観察(冷暖)でした。

しかし、ある質問にぶつかりました。このような困難な膜厚をどのように測定するのか?彼らは大学のX線反射率計と分光エリプソメーターを使うことを考えましたが、これらの方法は数ミリか数センチ幅のサンプルを必要とし、取得時間(特にX線)は研究グループのポリマーシステムの力学にはかかり過ぎました。

分光反射率により、素早く経済的に測定

意外にもこの困難な課題は、非常に経済的で最適な測定解決方法、分光反射率でした。分光反射率では僅か1.5mmのスポットサイズだけが必要で、瞬時にデータ取得が可能です。

分光反射率測定を取得する為、マサチューセッツ大学研究グループはいくつかのテスト技術の選択肢がありましたが、それぞれに制限がありました。ルー博士談“X線反射は室温で有効な結果を出しましたが、温度が上昇すると液体レベルと膜厚が変化し、測定に時間がかかる上、正確ではなくなりました。”よって、代わりにマサチューセッツ大学研究グループはイオン液体とポリマー膜を均一に暖める為、グループによってデザインされた温度ステージをフィルメトリクスのF20-UV測定システムと結合しました。フィルメトリクスのF20-UVは非常に薄い膜を測定する能力(1ナノメーターまで)、多様なテスト環境と、非常に素早いテスト時間(大抵数ミリセカンド以内)のため一番有効な解決手段となりました。“フィルメトリクスの薄膜測定システムは非常に簡単で素早いです。”ルー博士談。

フィルメトリクスはまた、正しい実験環境を設定するためにマサチューセッツ大学グループにコンサルタント支援を提供しました。ルー博士によると、“特定のテストにシステムを適応させるため、フィルメトリクスから多くの技術サポートを受けました。”

著しく、出版価値のある研究結果

フィルメトリクスF20-UV測定システムによって行われたポリマー厚測定により、膜がバルクガラス遷移温度以上に暖められるにつれ、ポリマー膜の厚さがどのように変化するのか、というマサチューセッツ大学研究グループが求めていたデータを取得することが出来ました (図1)。プロジェクトの結果は Macromolecules誌の記事として出版されました。

フィルメトリクスの測定システムはまた、他のテスト方法に比べ非常に少ない時間と努力で研究グループがテストを行うことを可能にしました。“たった30分で行ったテストは、X線研究室では終日かかっていました。”ラッセル博士談。

ポリマー膜研究の経済的解決法

この学部は現在3台のフィルメトリクスF20システムを所有しており、教授、大学院生、研究員により以下のプロジェクトで用いられています:

  • ポリマー科学エンジニア学部研究グループの為の素早い“その場”測定
  • 様々な国家施設(X線光線ライン)での溶媒膨張ポリマー膜の同時GISAXS/SR研究
  • ポリマー膜のしわ弛緩のパラメータ測定

"生徒や他の教授がフィルメトリクスのF20-UV でテストを行う時、膜の厚さ幅、膜が透明か不透明かどうか、屈折率は何かを質問します。これらの要素はF20-UVが彼らの測定に合う測定システムかどうか決定するのに役立ちます。"

マサチューセッツ大学の研究者にとって、フィルメトリクスのF20-UV測定システムは研究室の実験で膜を測定する為の素早く、簡単で、経済的な解決策である事を証明しました。さらに、フィルメトリクスのアプリケーションエンジニアによる専門技術サポートで、研究者は最先端結果を生み出すための正しいテスト設定を特定できます。